フランスFS 企業訪問編(Part1)

こんにちは、教務長の大(ひろ)です!👓

寒さが厳しくなってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか❄️
最近は冬の風物詩「こたつdeみかん」を堪能している教務長ですが(何歳?)、今回は2024年7月に行ってきた「フィールドスタディ in Paris 企業訪問編(Part1)」をお届けしたいと思います!



今回、7/5〜7/13の日程でフランスのパリに行ってきました!観光も楽しみながら、その合間に合計5つのフランス現地の企業や団体を訪れてきたのでシェアさせてください🔥
このブログではまずその中から3社(団体)ご紹介します!

観光編(byかぶと)はこちら


【目次】

訪問企業①: BiodiverCités 78

最初に訪問したのはフランスのパリ近郊、サンジェルマンアンレーという街を拠点に環境保護に情熱を注ぐ非営利団体『BiodiverCités 78』。団体名は、多様性を意味する”Diversity”と、街を意味する”City”を掛けているのだとか。ありがたいことに、今回の訪問は「日本の学生と交流したい」という先方の強い要望があり実現しました!

サンジェルマンアンレー(Saint-Germain-en-Laye)は、パリ都心部から電車で約30分の場所にある高級住宅地。

日本で言うなら田園調布のような街でしょうか笑

歴史的にフランス王家の狩猟地として有名な街で、深い森林と豊かな自然が広がる場所です。太陽王として有名なルイ14世が生まれたお城があることでも有名ですね!(左下写真)

近くの高台からはパリの街並みが一望できる隠れスポットも…!(右下写真)

しかし近年、急速な住宅開発により動物や昆虫、鳥類、植物たちの生息環境が脅かされているそうです。この危機的状況を憂慮した地元の人々が立ち上げたのが、環境保全を主目的とする非営利団体『BiodiverCités 78』です!


私たちは現地で、『BiodiverCités 78』代表のフランソワーズ・ボヴェ(Françoise BEAUVAIS)さんにお会いしました!とてもエネルギッシュな方で、終始その熱量に圧倒されました笑。また団体のメンバーにはフランス現地に住んでいる日本人の方も在籍しており、色々とお話しする中でフランスに対するイメージは実際に住んでみると結構変わるものだと教わりました!

↑上の写真右端がフランソワーズさんです!

この団体は10年以上にわたり住民による完全ボランティアで活動を続けていて、市に対する抗議やデモ活動、そして文章を通じた訴えかけなど多岐にわたる手法で環境保護の重要性を発信しています。また、メンバー自身がハイキングをしながら自然を観察・保護するというユニークな取り組みも行っているんだとか!


当日はフランソワーズさんを含めた『BiodiverCités 78』のメンバーとのディスカッションを通じて、世界でも特に環境意識の強いフランス人の価値観を感じることができました!中でも面白かったのは、現地で風呂敷を使用したエコバッグといった日本伝統のライフハックが認知されていること。実際に”Furoshiki”はフランス語になっているようです!Σ(・□・;)現地のÉcole(学校)では、こうしたFuroshikiを用いたワークショップなど幼いころから環境保護の意識を育てる教育が浸透しているそう。日本とフランスで環境意識に大きな差があるのは、こうした学校教育の違いによるものなのかもしれませんね。

また、当日は僕たちも日本で準備していた資料をプレゼンしました!フランス人はプレゼン中にどんどん質問してくるので終始緊張していました💦

お話を聞いている中で興味深かったのは、日本とフランスのトラブルに関する対応の違いです。例えば、地元の川の近くにテニスコートが建設されることになり、水質汚染が問題になった状況を想像してみてください。こうした環境問題に対するトラブルは、日本ではまず最初に行政を頼りますが、フランスでは『BiodiverCités 78』のような地元の組織を頼るそうです!

一人ひとりが環境問題を自分事として捉え、地域単位で解決しようとする。こうした一人ひとりの気持ちの強さこそが環境問題を解決する第一歩なのかもしれませんね!

『BiodiverCités 78』の皆さま、ありがとうございました!

HP:https://www.biodivercites78.com/

訪問企業②:Renault Group(ルノー グループ)

次に訪れたのは、世界的な自動車メーカーである『Renault Group』です。今回担当してくださったのは、ダニエル・カオ(Daniel Cao)さんガエル・ル・グロイック(Gaëlle Le Grouie)さん。グローバルなモビリティ業界の最前線で活躍するプロフェッショナルであるお二人との、知識と経験を踏まえた双方向型ディスカッションはとても有意義でした!

『Renault Group』はフランス生まれの自動車メーカーで、1899年から続く歴史あるグローバル企業。このブログを読んでくださっている方の中には、日本の代表的な自動車メーカーである「日産自動車株式会社」とアライアンス(企業提携)を締結している企業としてご存じの方もいるのではないでしょうか?(ちなみにこのアライアンスを推進していたのが、あのカ〇ロス・〇ーンというのはまた別の話…)

乗用車から商用車、電気自動車まで幅広く手がけていて、最近は電動化やサステナビリティにも力を入れることで次世代のモビリティをリードしています。

↑今回のセッションのために当日はこんな特別なスライドまで用意していただきました✨(許可をいただいたので一部抜粋してご紹介します)

ここで、今回の訪問でプレゼンをしてくださった方をご紹介します!なお、横に写っている教務長は緊張のあまり石のように固まっているので温かい目でご覧ください(笑)


(1)ダニエル・カオ(Daniel Cao)さん

ダニエルさんは、自動車の設計から製造,物流,B2Bサービスまで幅広い専門知識をお持ちで、これまで多文化環境でのプロジェクト管理に携わっていました。中国や台湾での8年間の駐在経験や、ルーマニア、インド、韓国でのチームビルディング、そして日産との成功事例など国際的な実績が豊富な方です。

LinkedIn:http://linkedin.com/in/daniel-tt-cao

ダニエルさんのプレゼンの一環で私たちが思うフランスのイメージをホワイトボードに貼り出しました。Traditional、Elegance、LOVE♡などなど、みんな思い思いのイメージを書いていました✨


ダニエルさん曰く、マーケティングで訴求するべき点はズバリ『便利さ』『価格』『改善(変化)』の3つ。そのなかでも『改善(変化)』を柔軟に取り組むことができるかが大事なんだそう。僕たちが書き出したようなフランスに対するイメージもいかに活用していくかが『Renault Group』の今後のマーケティングの課題だそうです。

こうした双方向のディスカッションは非常に勉強になりました…!

(2)ガエル・ル・グロイック(Gaëlle Le Grouiec)さん

ガエルさんは、Renaultのブランド戦略における「超」がつくエキスパート。これまでマーケティングやコミュニケーションや顧客体験、デジタル領域、広告・メディア、そしてグローバルからローカルまでのブランド管理において豊富な経験を持っています。
現在は『Renault Group』の高級スポーツカーブランド「Alpine」のブランド戦略ディレクターを務めており(訪問当時)、その分析力とビジョン、そして革新的なクリエイティビティでRenault Groupのブランド価値を高めています。

LinkedIn:http://linkedin.com/in/legrouiec

ガエルさんのジェスチャーを交えた魅力的なプレゼンにみんな自然と惹き込まれました!

↑こちらが「Alpine」。画像からすでにカッコいい…!!

ディスカッションの中で、お二人からは自動車業界のデジタル化や電動化、そして持続可能なビジネスモデルの構築について詳しくお話を伺いました!


特に興味深かったのが、「Renaulution」というマーケティング戦略。

ルノー(Renault)と革命(Revolution)を組み合わせた造語で、フランスという国が持つ革新性や美意識を活かした戦略です。この名前は、フランスらしい伝統と未来志向をアピールしつつ、電気自動車や新しいモビリティサービスを通じてブランド価値を高めようとしているそうです。

まさにマーケティングにおける「原産国イメージ」をうまく使った戦略だと感じました!


【p.s.】
ちなみに原産国イメージについては、先輩(1期生)のPower班(🦍)が詳しく研究しています!
気になった方はこちらから。


多様なバックグラウンドを持つ人で構成されるチームにおける戦略的なプロジェクト管理や『Renault Group』のブランド価値を高めるためのマーケティング戦略など、具体的な事例を交えての説明は非常に勉強になりました!

改めてグローバルな視点でビジネスを展開する重要性と、進出先の市場における文化理解の大切さを強く感じました。

『Renault Group』の皆様ありがとうございました!

『Renault Group』公式HP:https://www.renaultgroup.com/en/

訪問企業③:パリ日本文化会館

最後に訪問したのは『パリ日本文化会館』です。現地で働かれている佐藤健さんにお話を伺いました。

↑会館の入り口(右写真)ガラス張りのきれいな建物でした。

写真をよく見るとエッフェル塔が見えていますね✨それもそのはず。この建物はエッフェル塔から徒歩5分の場所にあるんです!パリ観光の候補に入れてみてはいかかでしょうか…?

『パリ日本文化会館』は日本とフランスの文化交流の拠点として1997年に設立され、多岐にわたる文化活動を行っています。

↑1Fのお土産コーナーには見たことのあるキャラクターや日本の”SAKE”が…!

佐藤さんからは、会館の使命や具体的な活動内容、そしてフランスにおける日本文化の受容について詳しく教えていただきました。2〜3週間に1回のペースで開いている展覧会や舞台芸術などを通じて、日本の伝統文化から現代アートまで幅広く紹介しているとのことです。また、日本語教育プログラムや研究活動も積極的に行っており、深いレベルでの文化交流が実現されています。


↑最初に佐藤さんからパリ日本文化会館について説明を受けました!(左)会館の4Fにある図書館には日本関連の書籍がずらり!(右)

特に印象的だったのは、館長の鈴木仁さん(下写真中央)のお話でした。アメリカでは「意見」が求められる一方で、フランスでは「意見」だけではなく「相手の説得」まで求められるという国による文化性の違いを強調しており、その言葉が心に響きました。

『パリ日本文化会館』の皆様ありがとうございました!

『パリ日本文化会館』様公式HP:https://www.mcjp.fr/ja

まとめ

いかがでしょうか?

古川ゼミのブログとしては少し堅い内容だったかと思いますが、少しでも私たちが現地で得た学びが伝わっていたら嬉しいです!

改めて、忙しいなか私たち学生の企業訪問を快く受け入れてくださった『BiodiverCités 78』のフランソワーズさん、『Renault Group』のダニエルさん、『パリ日本文化会館』の佐藤さん、本当にありがとうございました!

次回の更新もお楽しみに!!