みなさんこんにちは!古川ゼミ1期生の佐藤美結です。
今回はマーケティング論反転授業の第9回、「ナショナルブランドとプライベートブランド」についてご紹介します!
目次
ナショナルブランドとプライベートブランド
突然ですが皆さん、普段スーパーマーケットなどでどんなものを買いますか?
出典:明治公式ホームページ、日清食品公式ホームページ
これらはおそらく皆さん一度は見たことがある商品だと思います。
また、下の写真のような商品も見かけませんか?
出典:セブンプレミアム公式ホームページ、ドン・キホーテ公式ホームページ
上の写真と下の写真には明確な違いがあります。
それはナショナルブランドなのか、プライベートブランドなのか、ということです。
ナショナルブランドはメーカーによって展開されるブランドを、プライベートブランドは小売によって展開されるブランドを指します。
元々はナショナルブランドだけだったのですが、流通革命をきっかけにプライベートブランドが発売されるようになります。流通革命に関しては第8回でご紹介してあるので、ここでは簡単に説明させていただきます。詳しくは第8回をご覧ください!
流通革命とは、中間業者である卸売を省くことで、生産者と小売が直接取引を行う動きを指します。これによって流通経路が短くなり、コストを削減できるようになりました。
この流通革命を経て誕生したのがプライベートブランドなのです。
プライベートブランドの変遷
今や私たちの生活に溶け込んでいるプライベートブランドですが、その始まりは50年以上も前のことなんです。
プライベートブランドが誕生したのは1961年。ダイエーという小売店がインスタントコーヒーを企画・発売したことが始まりです。
そのあと、ダイエーのセービングと西友の無印良品が発売されました。
「え、無印良品?」って思いました?
実は無印良品は普通の小売店ではないんです。元々は西友の一角にあったプライベートブランドなんです。意外ですよね!
1990年代になるとイオンのトップバリューが展開されました。
さて、ここまでがプライベートブランドの歴史の前半戦です。
ここまでのプライベートブランドのイメージは「安かろう悪かろう」といった感じでした。今のような安くて品質もいいというわけではなかったんです。
しかし、そんな状況をがらりと変えたのが2007年に誕生したセブンプレミアムです。プライベートブランドのメリットである価格は維持しつつも、ちゃんと美味しいもの、良いものを展開していきました。
他社がこの流れに続くと思いきや、イオンは価格にこだわります。
2009年に発売されたベストプライスは、消費者が驚くほど安いものでした。しかし、その戦略はあまりうまくいかず、2013年に普通のトップバリューよりも品質を追求したセレクトを発売しました。同じ年にはセブン&アイのセブンゴールドも展開されています。
このように、日本のプライベートブランドの高品質・高価格化が進んでいきました。
プライベートブランドのメリットとデメリット
流通革命を経て、プライベートブランドが増えてくると、小売側の力が強くなります。
この場合、メーカーにはどんな影響があるのでしょうか?
まず挙げられるのが価格の主導権です。小売側は、多くの人に買ってもらうために商品の値段をできる限り抑えます。そのため、メーカーとの取引の価格を安くしようと試みます。
また、商品企画の主導権も小売に握られます。例えば、小売は顧客のニーズを踏まえて、今の価格のまま商品に別の機能を追加することをメーカーに求めてきます。メーカー側からすれば無茶振りですよね。しかし、どんなに無茶な要求でも、メーカー側は大口顧客を失うわけにはいかないので従うしかありません。
今のところ、プライベートブランドを展開してもメーカーにとって悪い点しかないですが、実はいい点もあります。
①大量の受注
受注を大量にしてもらえるので、製造設備をフル稼働できます。また、小売側が商品を買い取るため、売れ残りによるリスクを避けることができます。
②広告費
製造はメーカーが行いますが、その商品を売るのは小売です。また、プライベートブランドには小売のブランドが付いています。そのため、広告は小売が担うことになり、メーカー側の広告費は低く抑えることができます。
このように、プライベートブランドは小売側とメーカー側のwin-winの関係で成り立っているんです!
まとめ
いかかでしたか?今回は日本のナショナルブランドとプライベートブランドの変遷についてご紹介させていただきました。
普段見かける商品にもいろんな背景があると思うと面白いですよね。
それでは次回の更新もお楽しみに!